# 寝返り将棋のルールを、AI 同士の対局で決めた：効いた 1 つの変更と、壊れた 6 つの案

> 6×6 の盤で挟んで裏返す将棋。ルールの数値を勘で決めず、AI 同士の対局を 40〜100 局ずつ回して測った。反転が 2% から 81% に増えた変更、玉の守りを外すと 17 手で終わった実験、直せていない先後の差まで。

- URL: https://koshinstudio.com/notes/negaeri-balance/
- 公開: 2026-10-17
- 書いた人: Koshin（https://koshinstudio.com/about/）
- サイト: Koshin Studio

  English version (https://koshinstudio.com/en/notes/negaeri-balance/)

寝返り将棋 制作の記録 ／ 2026年9月

  寝返り将棋 (https://koshinstudio.com/works/negaeri-shogi/)は、6×6 の盤で、将棋の駒を使って、オセロのように挟んで裏返すゲームです。挟まれた駒は敵に寝返り、同時に成ります。成った駒の新しい動きで、さらに挟みが成り立てば、続けて裏返ります。これが連鎖です。

  ルールを決める数字は、十個ほどあります。盤の広さ、持ち駒の数、どの方向で挟めるか、連鎖は何段まで、など。これを勘で決めず、AI 同士の対局を何十局も回して、数字で測って決めました。この記事は、その記録です。うまくいった変更は 1 つだけで、残りの案は、ほとんど壊れました。壊れ方も、残しておきます。

  数字は、ゲームのリポジトリの README に残した測定の記録（2026 年 9 月 13 日時点）から書いています。AI 同士の対局で測ったもので、人間同士の対局での釣り合いは、まだ十分には確かめられていません。

## 何を、どう測ったか

  AI は、先読みの探索（アルファベータ探索）で動く自作のものです。深さ 3 の AI 同士を戦わせて、次の数字を数えました。

- 打つ手のうち、反転が起きる割合。低いと、挟んでも何も起きない手ばかりになります。

- 平均の手数。短すぎると、ほぼ一方的に終わっています。

- 先手の勝率。50% に近いほど公平です。

- 3 連鎖以上が出た対局の割合。連鎖が、このゲームの目玉だからです。

- リードの入れ替わり回数。少なければ、先に有利になった側がそのまま勝っています。多すぎれば、毎手ひっくり返る運のゲームです。

  案を並べて比べるときは、1 案あたり 40 局。最終の数字は、100 局で出しています。同じ測定は、README の手順（npm run report、npm run sweep）で、誰でも回し直せます。

## 最初のルールでは、ほとんど何も起きなかった

  最初は、駒の「利き」（将棋で動ける方向）の向きだけで、挟めるかどうかを判定していました。AI 同士で回すと、反転が起きた打ち手は 2% だけ。平均 16 手で終わり、先手が 71% 勝ちました。裏返すゲームなのに、ほとんど裏返らなかったのです。

  そこから 1 つずつ、ルールを変えて測り直しました。

    段階 | 反転が起きた打ち手 | 平均手数 | 先手勝率

      当初（利きの方向のみ・空の盤から） | 2% | 16 手 | 71%

      縦横斜めの全 8 方向にした | 8% | — | —

      初期配置を、陣形にした | — | 29 手 | —

      玉の隣を、守るようにした | 42% | 51 手 | 33%

      先手に、歩 1 枚のハンデ | 42% | 61 手 | 47%

      盤の端を、挟みの終わりにした | 81% | 53 手 | 59%

  先手勝率が、71% から 33% に、47% に、59% に動いているのは、ルールを変えるたびに、有利不利が入れ替わったからです。1 つの変更が、別の部分の釣り合いを崩すので、1 つ直すたびに測り直す必要がありました。

## いちばん効いたのは、「盤の端も、挟みの終わり」

  相手の駒が続いた先が盤の外なら、それも「挟んだ」と数えます。端に追い込まれた駒は、まとめて寝返ります。この変更で、反転が起きた打ち手は 42% から81% に増えました。

  この案と、ほかの案を、同じ条件（各 40 局）で並べて比べたのが、次の表です。

    案 | 1 手の反転枚数 | 3 連鎖以上が出た対局 | リード交代

      変更前 | 0.76 | 15% | 7.0 回

      盤の端を、挟みの終わりに | 2.51 | 85% | 7.4 回

      ＋打った駒も出世 | 3.06 | 80% | 9.9 回

      打った駒も出世、だけ | 0.72 | 13% | 5.0 回

      連鎖の上限を 3 に | 0.71 | 8% | 5.8 回

      60 手で駒数決着 | 0.69 | 3% | 4.8 回

  「打った駒も出世」を足すと、反転はさらに増えます。ただ、リード交代が 9.9 回まで上がって、毎手ひっくり返る展開になりました。それでは将棋側の戦略性が薄れるので、入れていません（設定の値を 1 つ変えれば、いつでも試せるようにしてあります）。

## 試して、やめた案

  同じやり方で測って、いまの設定より悪かったものを、同じ失敗を繰り返さないために残してあります。

    案 | 何が起きたか

      駒の本来の利き以外は、1 マスだけ挟める | 3 連鎖以上が出る対局が 95% から 13% に激減。挟める距離そのものが、連鎖のエンジンだった。

      5×5 の盤 | 1 手の反転は 2.88 枚から 5.99 枚と派手になったが、先手勝率が 70% で崩れた。手数も 35 手と短い。

      玉のまわりを守るルールを外す | 平均 17 手で終わり、先手勝率 95%。守りの駒が一斉に寝返って、玉が裸になる。

      連鎖の上限を 8 に | 現状とほぼ同じ（1 手の反転 2.86 枚と 2.88 枚）。上限 5 は、ほとんど効いていなかった。

      打った駒も、大量の寝返りで成る | 反転は増えるが、リード交代が 9.9 回に上がり、毎手ひっくり返る。

      60 手で駒数決着 | 3 連鎖以上が出る対局が 3% に激減。

  この表で、いちばん学びが大きかったのは、「連鎖の上限を 8 にしても変わらない」でした。上限を上げれば連鎖が増えそうに思えます。測ってみると、結果はほとんど変わらず、上限の 5 は、ほとんど効いていませんでした。実際には効いていない数字を、いじるところでした。

## 玉のまわりを守るルールは、外せない

  このゲームでは、自分の玉に隣り合う駒は、寝返りません。玉のまわりが、安定した守りの場所になります。このルールを外した実験が、上の表の 3 行目です。平均 17 手、先手の 95% 勝ち。守りの駒が一手で全部寝返って、序盤で一方的に玉が取られました。

  ルールの説明では、地味な一文です。しかし、これが無いと、ゲームが成り立ちません。

## いまの数字（AI 同士 100 局、深さ 3）

    指標 | 値

      平均手数 | 52.7 手

      盤の埋まり率 | 61%

      打つ手のうち、反転が起きる割合 | 81%

      1 手あたりの反転枚数 | 3.08 枚

      3 連鎖以上が出た対局 | 87%

      4 連鎖以上が出た対局 | 38%

      リード交代の平均回数 | 10.4 回

      一度もリードが入れ替わらない対局 | 0%

      負けた側も、一度はリードしていた対局 | 98%

      勝負が決まった時点（手数のうち） | 81% の地点

      先手の勝率 | 61%

  盤の色が何度も入れ替わって、最後までもつれます。それでいて、運だけのゲームにはなっていません。深さ 3 の AI は、深さ 2 の AI に、24 局中 20 局勝ちました（先手でも後手でも）。先を読めば勝てる、ということです。決着の 98% は玉を取ったもので、「挟むのは手段、将棋の勝ち方が目的」という関係も保たれています。

## まだ解決していないこと：先手と後手の差

  最終の測定で、先手の勝率は 61% でした（途中の測定では 59% でした。別の測定なので、数字が少し違います）。50% から 11 ポイントずれています。ハンデの付け方を 5 通り測りましたが、これより明確に良いものは、見つかっていません。

    ハンデ | 先手の勝率

      無し | 33%

      先手の持ち駒に、歩 +1（現行） | 61%

      先手の盤上に、歩 +1 | 38%

      先手の盤上の歩 1 枚を、持ち駒に移す | 64%

      先手の持ち駒に歩 +1、かつ、後手の盤上に歩 +1 | 27%

  詰められない理由は、駒が 1 枚単位でしか置けないことに加えて、同じ「歩 1 枚」でも、置く場所で価値が全く違うことです。点対称な位置への同じ追加が、一方では +5 ポイント、もう一方では −34 ポイントになりました。細かい足し算では、50% に寄せられません。

  実戦では、対戦相手を決めるときに、レーティングの低い側を先手にしています。弱い側が、有利な先手を持つので、差は部分的に埋め合わされます。それでも、解決とは言えません。人間同士の対局での確認も、これからです。

## 分かったこと

> 感覚で「面白そう」と思った変更は、測ると、半分は壊れていた。

- 数字を決めるなら、測る手を先に作る。AI 同士の対局を自動で回す道具があったから、6 つの案を同じ条件で比べられました。

- 効いていない数字がある。連鎖の上限は、5 でも 8 でも変わりませんでした。

- ゲームの目玉を壊す案は、測って初めて分かる。「1 マスだけ挟める」は、駒の個性が戻る良い案に見えて、連鎖を 95% から 13% に壊しました。

- 直せていないことは、直せていないと書く。先後の差は、61% のままです。

  同じ「測る手を用意する」考え方で、すし積むの寸法を調整した記録は、穴子の記事 (https://koshinstudio.com/notes/anago/)に書いています。

  この記事の数字は、寝返り将棋のリポジトリの README にある、2026 年 9 月 13 日時点の測定記録から書きました。遊べるのはこちら (https://koshinstudio.com/play/negaeri-shogi/)、紹介は作品のページ (https://koshinstudio.com/works/negaeri-shogi/)です。

  この話に出てくるもの

- 寝返り将棋 (https://koshinstudio.com/works/negaeri-shogi/) — 6×6 の盤で、挟まれた駒が敵に寝返り、出世する将棋

- 穴子の記事 (https://koshinstudio.com/notes/anago/) — 同じ、「測る手を用意する」考え方の記録
