App Store 審査で止まったこと:はじめての提出の「Guideline 2.1 Information Needed」と、4つのリジェクト
トレカダッシュ 開発の記録 / 2 件のまとめ
はじめて App Store にアプリを出すと、審査で何度か止まります。ここには、トレカダッシュの提出で実際に止まった記録を 2 つまとめました。リジェクトではなく「情報が足りない」と言われた件と、そのあとに止まった 4 つの件です。
それぞれの節は、もとは別々に公開していた記録です(2026 年 10 月から)。数字と出典は、その時の作業の記録のままです。テーマごとに読めるよう、1 つの記事にまとめ直しました(2026 年 11 月 7 日)。
App Store 審査で「Guideline 2.1 Information Needed」が届いた:求められた6つ
2026 年 10 月 8 日の記録。
iOS アプリ「トレカダッシュ」を、初めて App Store の審査に出しました。提出は10月6日(米太平洋時間の朝4時24分)です。そのあと届いたのは、不合格の通知ではなく、「追加の情報が必要です」というメールでした。何を求められたのかを、まとめておきます。
このサイトには、トレカダッシュの作品ページはまだありません。審査の結果は、この記事には書いていません(書けるようになったら、書き足します)。
届いたもの
ガイドライン 2.1「Information Needed(情報が必要)— 新規アプリの提出」でした。理由は、この開発者アカウントの審査の履歴が少ないためです。アプリの内容をよく理解して審査を終えるために、追加の情報がほしい、という趣旨でした。アプリに欠陥がある、という指摘ではありません。
求められた六つ
App Store Connect で返信して、同じ内容を「App Review に関する情報」のメモ欄にも書いておくように、とのことでした。求められたのは、次の六つです(要約です)。
- 実機での画面収録。最新の OS を載せた実機で、アプリを起動するところから始めて、ふつうの使い方の流れを見せる。アカウントの登録・ログイン・削除、利用者が投稿する内容(通報とブロックの仕組みを含む)、有料の機能に触れる流れがあれば、それも入れる。
- アプリの目的と、想定する利用者。どんな問題を解いて、どんな価値を出すのか。
- 主な機能の使い始め方。ログインが要るなら、その情報やサンプルのファイルも。
- 使っている外部サービスの一覧。データの提供元、認証、決済、AI など。
- 地域による機能・内容の違い。なければ、「どの地域でも同じように動く」と書く。
- 規制の強い分野や、第三者の保護された素材を扱う場合の、権限の証明。
メールには、「よくある問題」の一覧も付いていました。実機でのバグとクラッシュ、ログインが要る場合の審査用アカウント、スクリーンショットは実際の使用画面にすること、アプリ内課金の商品は一緒に提出すること、など。
前に直したことと、つながっている
一つ目に挙がった「アカウントの削除」と「利用者の投稿の通報」は、審査に出す手前で直したものと重なります。アカウント削除は、マップ投稿も含めて消し、Apple のサインインを取り消す形にしてありました。投稿は、NG ワードの判定と、通報のレビュー待ちの仕組みを入れてありました。審査用のメモの下書きも、すでに作ってありました(ログインなしで主な機能が使えること、削除の場所、投稿の通報、Pro の内容)。
つまり、仕組みはあるけれど、それを「見せる」ものが足りなかったことになります。一つ目の画面収録が、まさにそれです。
分かったこと
初めての審査では、「ちゃんと動く」ことを、審査する人に見せなければならない。
- 実機の画面収録は、アプリの起動から始めるよう、はっきり求められている。
- メモ欄には、返信と同じ内容を書いておく。次の提出でも、使い回せる。
- 審査に出す前に、六つの質問に自分で答えられるか、確かめておく。答えがすぐ出るなら、審査の往復が一回減る。
この記事は、届いたメールの内容を要約して書きました。提出番号などの識別情報は載せていません。
App Store の審査で止まった四つ:iPad のスクショ、ITMS-91064、アカウント削除、投稿の通報
2026 年 10 月 8 日の記録。
iOS アプリ「トレカダッシュ」を App Store の審査に出そうとして、何度か、出す手前で止まりました。Apple 側の自動検査で止まったもの、提出画面で止まったもの、ガイドラインに照らして点検して見つけたもの。コミットに残っている記録から、四つ書きます。
このサイトには、トレカダッシュの作品ページはまだありません。審査の結果は、この記事には書いていません。
1. iPad のスクリーンショットを求められた
App Store Connect で審査に提出しようとすると、「13 インチの iPad ディスプレイのスクリーンショットをアップロードする必要があります」と出て止まりました。プロジェクトの設定が、もともと iPhone と iPad の両方(1,2)になっていたためです。
ところが、iPad を意識して作った形跡はなく、実機の確認も、レイアウトの調整も、すべて iPhone でした。未検証のまま「iPad 対応」として審査に出すのはリスクがあるので、iPhone 専用(1)に変えました。
2. 自動検査で「無効なバイナリ」(ITMS-91064)
ビルド 877 が、Apple 側の自動審査で、「無効なバイナリ」として却下されました。原因は、プライバシーマニフェスト(PrivacyInfo.xcprivacy)の、トラッキングは「する」(NSPrivacyTracking=true) と書いたのに、トラッキング先のドメイン一覧(NSPrivacyTrackingDomains)が空だったことです。Apple の検査は、この組み合わせを矛盾として弾きます。
アプリは、AdMob の広告(バナー、ネイティブ、アプリ起動広告)を、ATT の同意のあとにパーソナライズして出しています。トラッキング自体はしているので、「する」は正しい。直すべきは、空のドメイン一覧のほうでした。ただ、Google は AdMob 向けのドメインの公式な一覧を出していません。そこで、広く使われている広告配信のドメイン(googlesyndication.com、googleadservices.com、doubleclick.net、google.com)を追加しました。Release 構成のビルドが通ることは確認しています。
3. アカウント削除(ガイドライン 5.1.1(v))
アカウントを作れるアプリは、アプリの中からアカウントを削除できなければなりません。削除の処理は、利用者のマップ投稿(目撃情報)と、その付随データ(所有者、申告、通報、お礼)も消すようにしました。Apple でサインインしている人は、アプリ側で Apple に再確認してから、サーバーで削除して、トークンを取り消します。設定画面とプライバシーポリシーの説明も、実際の動きに合わせました。
さらに、アカウントを削除しても、購読は解約されません。これを、設定の説明と削除の確認画面に書き足しました(審査の要件として)。
4. 利用者の投稿(ガイドライン 1.2)
マップ投稿は、利用者が自由に書けます。それまでは、文字数や座標の範囲といった形式のチェックだけで、内容を弾く仕組みがありませんでした。そこで、自由記述の 3 項目(店舗名・商品名・メモ)に、簡易の NG ワード判定を足しました。該当すれば、投稿は作りますが、最初からレビュー待ちの状態にします。
もう一つ。投稿の通報は、開発者が管理画面の URL を自分から思い出して開かない限り、誰にも気づかれない状態でした。毎日の運用連絡に、レビュー待ちの件数を足して、見落としを防ぎました。
分かったこと
審査は、出してから落ちるものではなく、出す手前の点検で半分、見つかる。
- 四つのうち、二つ(iPad、ITMS-91064)は、機械が止めてくれました。残りの二つ(削除、投稿)は、ガイドラインを読んで、自分で点検して見つけたものです。
- 「未検証のものを出さない」ほうが、「全部対応する」よりも、速くて安全でした(iPad の件)。
この記事は、コミット(2026年9月16日〜10月6日)の記録から書きました。
それぞれの要点
- App Store 審査で「Guideline 2.1 Information Needed」が届いた:初めての審査で届いたのは、不合格ではなく Guideline 2.1「Information Needed」だった。求められた六つ(実機の画面収録、目的、外部サービスの一覧など)と、前に直したこととのつながり。
- App Store の審査で止まった四つ:iPad スクリーンショットの要求、自動検査の ITMS-91064(NSPrivacyTrackingDomains が空)、アカウント削除(5.1.1(v))、投稿の通報(1.2)。審査に出す手前で止まった四つと、その直し方。
ほかの記録は、Notes の一覧から、テーマごとに読めます。トレカダッシュそのものは、作品ページに書いています。
ほかの記録
- AI と Firestore の費用を、測り直して削った5つの記録:Gemini の計器・読み取りの91%・取得の費用 — 個人開発のアプリで、AI(Claude・Gemini)と Firestore、取得の費用を削った5つの記録。削る前に計器を疑い、円で出して、どこに使われているかを数えた。
- ポケカ・トレカ抽選アプリを比較:トレカダッシュ・トレゲト・NowPokeca・Pokeka Tracker・トレカの地図のメリットとデメリット — ポケカをはじめトレカの抽選・予約・再販を追うアプリ・サイトを、ジャンル数・通知・地図・料金で比較。作者(トレカダッシュの開発者)による比較で、トレカダッシュの弱いところも書いた。
- 同じ報告が 3 回目:SwiftUI のボタンが「文字の上でしか」反応しなかった。過去 2 回の「修正」は効いていなかった — 「当選」「落選」ボタンが文字の上しか反応しない報告は 3 回目。過去 2 回は修飾子の順序を直しても効かず、ButtonStyle の中で見た目を組み立てて、6 か所を差し替えた。同じ日の「郵送なのに位置情報」も同じ根っこだった。
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