「山は89%で落ち着く」は誤りだった:測定のほうが間違っていた話
すし積む 開発の記録 / 2026年10月
すし積むは、同じネタをぶつけて合体させ、桶いっぱいに育てていく落ち物パズルです。バランスを直していたとき、自分が出した測定結果が、間違っていたことに気づきました。何が間違っていて、どう見つけて、どう直したか。コミットに残っている数字で書きます。
この記事の数字は、2026年9月7日の時点のものです。このあと、ネタの寸法は一律 0.8 倍になり、9月10日にもう一度(降ってくるネタの種類と、桶の形)変わっています(穴子の記事に書きました)。いまの数字とは違います。
「89%で落ち着く」は、誤りだった
最初の測定では、「山が桶の89%の高さで落ち着く」という結果が出ていました。つまり、積んでも溢れず、負けないゲームだ、ということです。
測りなおすと、これは落下中のネタを数えていたための見かけでした。実際の山は、上がり続けていました。ただし上がり方が遅すぎて、240回落としても、桶の3分の1しか埋まりません。「負けられないゲーム」とは、安全という意味ではなく、負けようがないほど山が育たないという意味でした。
原因は三つ
コミットでは、原因を三つに分けています。どれも、計測で確かめてから潰したものです。
1. 大きさの階段が、三か所で逆行していた
ネタの大きさを、同じ面積の円の半径(等価半径)で並べて比べると、次の三か所で、合体したあとのほうが小さくなっていました。
- 玉子が、シャリより小さい
- 大トロが、ウニより小さい
- あなごが、大トロより小さい
合体すると、前より小さい塊ができます。いちばん通り道になる「シャリ → 玉子」では、落とした分の半分以上が、その場で消えていました。そこで、大きさの比が 1.19 で、単調に増える階段に組み直しました。
2. 桶に対して、ネタが小さすぎた
9:16 の縦長の桶を、そのまま落下領域にしていたので、実物のすし桶ではなく、縦穴になっていました。桶を、画面の下半分に収まる浅い形にして、上の空いた所には、暖簾(すし積む)と板壁を描きました。デッドライン(これを超えたら負け)は、桶の縁そのものになりました。
3. 大きなネタが、床をすり抜けていた
壁と床の物理的な厚みが、見た目と同じ 12 しかなく、重くなったネタが、一枚板を貫通して桶の外へ落ちていました。厚みを 80 にして、合体で生まれたネタが壁に食い込む場合の位置も丸めました。こぼれたネタを片付ける処理(sweepStrays)も入れてあります。
直したあとの数字
| 測ったもの | 直す前 | 直した後 |
|---|---|---|
| 240回落としたときの桶の埋まり方 | 約3分の1 | — |
| ゲームオーバーまでの回数 | 到達せず | 385回(ランク:中堅職人) |
| 得点(同じ条件) | 7,298 | 10,658 |
山は縁の手前で上下して、大きな合体で一気に空く。この手のゲームらしい緊張が出ました。得点が伸びたのは、すり抜けて消えていた分が、戻ってきたからです。iPhone SE から 15 Pro Max、横向き、デスクトップで、9:16 が保たれること、はみ出しもエラーも無いこと、満杯の状態で 60fps が出ることを確かめています。
分かったこと
測っているものが、知りたいものとは、限らない。
最初の「89%」は、落下中のネタを数えに入れていたので、「山の高さ」を測れていませんでした。測定の結果が良すぎたときは、数字そのものよりも、何を数えているのかを疑ったほうがいい、と記録しておきます。そのうえで、直したあとの数字は、穴子の記事と同じやり方(自動プレイで何百戦も回す)で、あらためて測りました。
この記事の数字は、コミット(2026年9月7日)の記録から取りました。
この話に出てくるもの
- すし積む(作品ページ) — 落ち物パズルのゲーム
- 「減るはず」が、二度外れた — 数え直して外れが分かった、別の記録
ほかの記録
- 広告の間隔を、回数ではなく時間で測る — 「5プレイに一本」をやめて「前の広告から7分」に変えた理由と、変えたあとの動きの記録。書きながら、一戦の長さが分かっていないことに気づいた。
- 穴子がデカすぎた話 — 落ち物パズルの最後の一手に、どうしても届かない。勘で直す前に、自動プレイで三百戦以上の統計を取って原因を突き止めた記録。
- すし積むの番付に載らなくなった:ゲームの数字を変えて、サーバーの検算を直し忘れていた(しかも二つ) — 番付に、普通に遊んでも載らなくなった。ゲームの数字を変えて、サーバーの検算を直し忘れていた。金の桶の褒美(8,000→25,000)と、降るネタ(3種→5種)の二つ。注意書きでは守れず、同じ種で出題を比べる検査を足した。
コメント
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