押すものを六つから一つに絞った:初めての人は、どれを押せばいいか分からなかった
すし積む 開発の記録 / 2026年10月
すし積むのタイトル画面には、押せるものが、六つ並んでいました。初めて開いた人は、どれを押せばいいか、分からない状態です。ゲームポータルに出すにあたって、「初めての人が、まず何を押すか」を、一つに絞りました。そのときに一緒に直した、保存が消える問題と、画面を離れたときの問題も、コミットの記録で書きます。
ポータルに出すと、何で測られるか
コミットによると、出すことにしたポータル(CrazyGames)には、まず、限られた客層に二週間だけ出す試用の段階(Basic Launch)があります。次の段階(Full Launch)に上がれるかどうかは、その間の、次の三つで決まるそうです。
- 遊び始めた人の割合
- 平均の遊んだ時間
- 戻ってくる人の割合
広告は、この試用の間は無効なので、いま効くのは、これだけです。つまり、「開いた人が、遊び始める」「また来る」の二つを、設計で良くする必要がありました。
押すものを、一つに絞った
タイトルには、「遊ぶ」「お品書き」「番付」「図鑑」「言葉」「あつかい」の六つが並んでいました。初めての人には、どれも同じ重さに見えます。そこで、こう並べ直しました。
- 「遊ぶ」を、大きく、一つだけ置く。
- 「お品書き」は、細い二番手に。
- 番付、図鑑、言葉、あつかいは、下の細い一行に、畳む。
番付と図鑑は、「戻ってくる理由」にはなりますが、初めてのときの、最初の一歩にはならない、という判断です。
二度目からは、続きがあることを見せる
高得点と、図鑑の埋まり具合を、タイトルに出します。ただし、初めての人には出しません。0 点、0 種と見せても、意味がないからです。
ポータルの中では、保存が消える
ポータルは、別のドメインの iframe(枠の中)で、ゲームを動かします。ブラウザによっては、この中では、端末への保存(localStorage)が塞がれていて、高得点も、図鑑も、毎回消えます。
ポータルが用意している保存の棚(CrazyGames の Data Module)があれば、そちらに保存して、無ければ、これまでどおり、端末に置く形にしました。ポータル側の部品は、あとから届くので、見つかるまで、毎回探します。
確かめ方は、偽の保存の棚を差し込むことでした。棚があるときは、そちらに書いて、端末側には書かない。端末への保存が、エラーを投げる環境でも、起動して、遊べる。
画面を離れたら、止まる
それまでは、別のタブに移ると、締切だけが進んで、戻ったときには、もう終わっている、という作りでした。裏に回ったら、一時停止して、音も止めるようにしました。実際に、画面が隠れたときの出来事(visibilitychange)を起こして、止まること、1.5 秒放っても点が動かないこと、続けると戻ることを、確かめています。
確かめたこと
- 14 言語すべてで、iPhone SE の画面に収まる。
- 7 つの画面 × 3 言語で、縦横比 9:16 が崩れない。
- 通しプレイ二本(日本語 163 手、英語 263 手)が、60fps、エラー 0 件。
分かったこと
初めての人に必要なのは、選択肢ではなく、最初の一歩。
- 「戻ってくる理由」と「最初の一歩」は、別のもの。番付も図鑑も、価値はあります。でも、初めての人が、最初に押すものではありません。
- 保存は、動く場所によって、使えないことがある。手元で動いたことは、枠の中で動くことの保証になりません。
- 画面を離れたときの動きも、設計に入れる。作る側は、ずっと見ている前提で作りがちです。
この記事は、コミット(2026年9月7日)の記録から書きました。ポータルの審査の条件は、コミットの記述によります。このあと、このゲームは審査に落ちています(CrazyGames に落ちた)。
この話に出てくるもの
- すし積む(作品ページ) — 落ち物パズルのゲーム
- CrazyGames に落ちた — このあとの、審査の記録
ほかの記録
- 音は聴けないので、波形を測った:すし積むの和楽器を、WebAudioで作る — 音声ファイルを使わず、箏・太鼓・拍子木・鉦をブラウザで合成した。聴けないので、波形のピークを測って音量を決めた。番付のしきい値も、自動プレイの実測で引き直した記録。
- CrazyGames のプレビューで日本語が文字化け:ファイルは正しかった。原因は特定できず、ASCII 表記に逃がした — ゲームポータルのプレビューで「大連鎖!」の「連」だけが壊れた。ファイルのバイト列は正しく、原因は特定できなかった。ASCII 表記に逃がした経緯と、14言語の枠の検査の記録。
- 無料枠を半分しか使わない番付にした:呼び出し5回を2回に — 番付サーバーが無料枠を使う量を半分にした。一人が遊ぶ一回の呼び出しは5回から2回、読んだ行は421から221へ。順位の数え方と、前置きの呼び出しをなくした経緯。
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