診断を12問にしたら、結果はどこまで変わるのか
ガチアニメ診断 開発の記録 / 2026年10月
ガチアニメ診断は、全部で50問あります。長い、という声があって、最初の12問だけで結果を出せるようにしました。続きの38問は、答えたい人だけ。
ただ、短くした分、結果は変わるはずです。どれだけ変わるのかを、気分ではなく数字で知っておきたくなりました。
12問は、どう選んだか
診断は、アニメの好みを6本の軸で測っています(世界観、後味、構成、サブテイスト、視覚、視聴スタイル)。12問版は、各軸から2問ずつ、計12問。結果を出す計算は50問のときと同じで、答えていない質問は数えないだけです。
50問の中身は、6軸が18問、画質・年代が2問、好みの要素(恋愛、ホラー、ロボットなど)が30問です。12問版では、後ろの二つ(年代と好みの要素)は聞かないので、作品の並びに効いてきません。
測り方:作り物の回答者を1,000人
本物の人に、12問と50問の両方を答えてもらうのは、すぐにはできません。そこで、作り物の回答者を使いました。ここは先に断っておきます。以下の数字は、実在の人の結果ではありません。
- 回答者ごとに、6軸と年代、30の好みの要素について、「本当の好み」を −1〜+1 の乱数で決める。
- 各質問の答えは、その「本当の好み」にブレを足して、5段階(A寄り、ややA寄り、どちらでもない、ややB寄り、B寄り)に丸める。
- この答えを、12問だけ使う場合と、50問全部使う場合で、実際のアプリと同じ計算(
logic.js)に通す。
ブレの大きさは分かりません。人は同じ気分でも答えが揺れるので、小さい(0.3)・中くらい(0.5)・大きい(0.8)の3通りで測りました。診断に使う作品は、軸の手がかりが足りるもの 6,074 作です。
タイプは、12問でもだいたい合う
まず、タイプコード(6文字)が、12問と50問で同じになるかどうか。
| 回答のブレ | 6文字が全部一致 | 1文字ごとの一致 |
|---|---|---|
| 小さい(0.3) | 75.6% | 94.7〜96.1% |
| 中くらい(0.5) | 60.8% | 90.9〜93.7% |
| 大きい(0.8) | 43.2% | 85.5〜87.6% |
1文字ずつ見れば、ブレが中くらいでも、9割以上は同じ側に落ちます。6文字を全部当てるのは難しくなりますが、それは「6回続けて当てる」から。1文字の的中率が9割でも、6回続くと半分ちょっとになる計算です。
運命の1作は、かなり変わる
次に、診断が最後に出す「運命の1作」です。6,074 作の中から1つを選ぶので、事情が違います。
| 回答のブレ | 1作が同じ | 上位3作のどれかが共通 |
|---|---|---|
| 小さい(0.3) | 21.7% | 63.4% |
| 中くらい(0.5) | 15.7% | 52.7% |
| 大きい(0.8) | 12.4% | 39.9% |
12問で出た1作が、50問でも1作目に来るのは、5〜8人に1人くらいです。ブレが中くらいなら、上位3作に共通がある人が、約半分。
どの段階で変わるのか
変わる理由が、「好みの要素の30問」だけなのかを確かめました。12問と50問のあいだに、6軸だけの18問(好みの要素と年代は聞かない)を挟んで、1作を比べます(ブレは中くらい、600人)。
| 比べるもの | 1作が同じ |
|---|---|
| 12問 と 18問(軸だけ) | 33.8% |
| 18問 と 50問 | 27.5% |
| 12問 と 50問 | 15.0% |
好みの要素を足す前の、軸の質問を6問足すだけでも、1作は3人に2人で変わっています。6,000作の中から1つを選ぶ作業は、少しの入力の差で順位が入れ替わります。「好みの要素が悪さをしている」わけではありませんでした。
50問は、本当に当たりに近いのか
この測り方では、「本当の好み」を知っているので、そこから選んだ1作を正解と見なせます。12問と50問は、それに近づけているでしょうか(ブレは中くらい)。
| 正解の1作と同じ | 正解の上位3作に入る | |
|---|---|---|
| 12問 | 8.2% | 14.9% |
| 50問 | 14.3% | 28.5% |
50問のほうが、約1.7〜1.9倍、正解に近い。ブレが小さいと、差は 17.9% → 29.0%(1作)、29.0% → 52.6%(上位3作)です。続きの38問は、無駄ではありませんでした。ただし、50問でも、1作ぴったりで当たるのは1割ちょっとです。
この測り方の弱いところ
- 回答者は作り物です。本当の人は、好みが乱数のように散らばっていないし、ブレ方も違います。
- ブレの大きさは仮置きです。3通りで測ったのはそのためで、本当の値は分かりません。
- 「正解」は、診断と同じ物差しでの正解です。人が本当に好きになる作品かどうかは、測れていません。
- 測ったのは「同じになるか」で、「面白いか」ではありません。
分かったこと
タイプは短くても決まる。運命の1作は、問題を足すたびに揺れる。
12問で結果を出して、続きを任意にしたいまの作りは、この数字と矛盾していません。タイプを知りたいだけなら12問で十分で、1作の精度を上げたい人だけ、続きに進めばいい。結果の画面にも、そう伝わる言い方をしたほうがいい、と考えています。
本当に確かめたいのは、実際の人の答えです。12問の結果と50問の結果を、同じ人に見てもらって、「どちらがしっくりくるか」を聞くところまでいけたら、次の記録に書きます。
測ったスクリプトは、診断のリポジトリに置いてあります(乱数は固定してあるので、同じ数字が再現できます)。
この話に出てくるもの
- ガチアニメ診断(作品ページ) — 何を作ったのか、画面と数字で
- ガチアニメ診断ガイド — 6軸の解説と、64タイプの一覧
ほかの記録
- 16,177作から6,091作へ:診断のデータベースは、6割以上を落として作った — 診断に使う作品は、Annict・Filmarks・手元の名作をまとめた16,177件のうち、手がかりが足りた6,091作だけ。落とした基準と、残った作品の出どころ・偏りを、数字で書いた記録。
- 配信ボタンは、見られない作品にも出ていた:診断の結果画面を「本当」に寄せる — 診断の配信ボタンは、全作品に同じ2つだった。実際の配信状況と数え直すと、約29%でどちらかが外れ。配信状況で絞った経緯と、画像の食い違い(http、仮の絵、ロゴ混入)の記録。
- 「82%より80%が選ばれる」:診断の適合度%が、並び順と食い違っていた — 診断の適合度%は、並び順とは別の物差しで作られていた。旧い表示では、回答者の35〜40%で上位3作の表示が逆転。作り物の回答者1,000人で測り直した記録。
コメント
感想や、記事の間違いの指摘は、ここへ。書くには、GitHub のアカウントが要ります。
押すと、giscus(giscus.app)と GitHub に接続します。押さなければ、接続しません。詳しくはあつかいに書いています。